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季刊誌 駒木野 No.172

季刊誌 2014.11.27

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全部署・部門の責任者が参加する「責任者会議」の様子(2014.10.27)

 

過去を反省し、未来を予測し、現在を生きる

副院長 看護部長 宮﨑 弘光

 「人間は他の動物と異なり、過去を反省し未来を予測しながら生きる存在である」「未来を見るためには、まず、過去を見よ。人間は、いつの時代も、同じような行動をとり、成功したり、失敗したりする。少し前の歴史を見ると、現代とそっくりではないかと思えるようなことがたくさんある」という言葉が今を生きるためにとても印象に残っています。
現代社会は情報や物質など溢れんばか量で選択肢がたくさんあります。また、混沌とした社会経済情勢の中では先を予測することが非常に難しい状況にあり、何を選べば良いか判断し決断することも容易ではありません。どんなに多くの選択肢があっても選べるのは一つしかありません。だからこそ、過去を反省し、未来の計画を綿密に立て、ベストな現在を生きるために答えを模索するのです。
さて、当院は「現在」をいかに生きているのでしょうか、新棟開設と共に新たな挑戦が始まっています。アルコール総合医療センター、高齢者医療センター、こまぎのこどもセンターすこやかの3つのクラスター部門が始動、3テスラのMRIによる高次脳機能外来、全個室の治療環境やオープンカウンター方式の勤務室、ベッドコントロール機能の強化、精神科救急医療の充実、各病棟連携強化、患者主治医制の一部導入、退院支援活動の強化、m-ECT導入、そして、今年4月にオープンした訪問看護ステーション「天馬」の開設による在宅支援活動の強化など、まさに今後重要となる精神医療の未来を予測し、当院が大切にしてきた利用者中心という理念のもと、実践してきた結果として現状の医療が行われています。
その中でも最も重要としてきたのは、この機能を運用する人的資質に他なりません。この人的資質の目指す理念は「基本的人権の尊重」「パートナーシップ」「人間尊重」「倫理観」です。このことを一人一人が利用者との関わりの中で実践してきた結果だといえます。
当院には、素晴らしい治療環境と人的資源があります。これらを、最大限生かすためには、精神科医療の歴史や当院の歩んできた過去を検証し、精神科医療の未来や当院の将来を予測し、現状の生きる課題を見つけチャレンジしていくことだと思います。当院は常に新たな課題を見つけ、果敢にチャレンジしてきました。当院のモチベーションは安定や平穏を求めることより、希望ある未来を切り開き新たな「価値」を見出すことにあります。 これは当院職員一人一人の高い志と精神科医療への誠実な姿勢があったからです。
最後に、過去の悪いことばかり引きずって、一喜一憂しながら「現在」を生きるより、チャレンジ精神を持ち全力で生きる生き方が良いのではないかと思います。現在をいかに生きるかが、未来を決める鍵になると思います。職員の皆さんと一緒にチャレンジすることを楽しみながら全力で現代を生きていけば必ず希望ある未来が開けると確信しています。

看護部新人研修を終えて

看護師(研修担当) 佐藤 千恵

 新人看護師を対象とするファーストレベルフレッシュクラスⅠでは、10月3日~4日にかけて高尾の森わくわくビレッジにて宿泊研修を行ってきました。半年間それぞれの病棟で悩み、成長してきた1年目ナースが、院内とは異なる環境で学習し、自己を振り返り、今後の意欲向上を図れるよう毎年企画されているものです。
研修は「確認テスト」から始まり、自分の振る舞いを振り返る「グループワークレクリエーション」、野外炊飯での夕食づくりへと展開、2日目には「対人認知と自己認知」を学び、「振り返り」にて自分の課題を明確化、「ポジティブフィードバック」で終結する流れとなりました。我々教育委員も含め、それぞれが自己の課題に向き合い、新たな気持ちで病棟での看護に臨める、有意義な時間を頂けたのではないかと思います。
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久 真理子

 今回の研修を通し、自分の心境に大きな変化がありました。社会人になって半年、精神科の看護師になって半年、上手くいくことばかりではなく、自信をなくすことばかりでした。研修の中で、自分が普段当たり前に行っていることに根拠がないこと、疑問を持って仕事をすることが減っていること、視野が狭くなっていたことに気付かされました。そして、それに気付かせてくれる同期がいることを嬉しく、ありがたく思いました。
今の自分の課題は、一つ一つのことに疑問を持ち、考え、根拠を持って実践することができていないところだと思います。課題に気付くだけではなく、解決していけるよう意識して日々努力していきます。自分は、最高の同期、先輩、病棟恵まれています。自分を支えてくれている人がいることを忘れず、初心に帰り頑張ります。

谷 綾乃

 二日間の宿泊研修では、チームで動く際の自分の行動の傾向に気づくことが出来ました。ただ見守るのではなく、主体的に役割を探していく必要があると思い、自分の考えもしっかり持って他者の意見を尊重しながら発言していくことが大切だと考えました。看護もチームで動くものなので、同じ目的、目標を共有して働くことが重要であり、一年目でも職業人という意識を持って仕事に向かわなければならないと学びました。
同期の皆とたくさん話す時間を持つことが出来、それぞれの看護観を知り、患者さんとどのように関わっているのかを聞けたので、もう一度自分自身の看護を振り返って新しい気持ちで病棟に戻りたいと思いました。本当に素晴らしい同期と出会えたので、今後もお互いに助け合い、刺激し合いながら自分なりの看護を提供していきたいと思います。

こまぎのフェスティバル2014開催 つなごう 地域の輪!笑!和!

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主催:駒木野病院
共催:八王子市高尾駒木野庭園
開催日:2014.9.28(日)
会場:駒木野病院 高尾駒木野庭園

フェスティバルを振り返って

事務部長 井出 光吉

 以前は、駒木野病院のお祭りは、真夏の暑い夕刻に盆踊りをメインイベントとして行っていました。場所も病院の敷地から少し離れたグラウンドで行っていて、準備のための機材を運ぶだけでも大変なものでした。A棟開棟の年は、一度お祭りを中止としたこともありましたが、翌年のお祭りからは、より地域との繋がりを意識したものへと変わってゆきました。年々その繋がりは大きくなり、今年は、地域の中学校、福祉関係団体、八王子市などたくさんの団体に参加していただき、大盛会となりました。緻密な計画を立て、お祭りを大成功に導いた実行委員会の皆さん、本当にお疲れ様でした。

こまぎのフェスティバル・高尾駒木野庭園共催イベント

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高尾駒木野庭園では共催イベントとして、坂本呉服店×中村眞弥子 ふたり展と、オリジナル風呂敷のワークショップ、高尾JAZZ QUARTET&BRAZILMUSIC た~こによるコンサートが開催されました。ジャズやブラジリアンミュージックを聴きながら、ゆったりと油絵や水彩画、染め物を鑑賞し、また、世界にひとつだけのふろしきを作るワークショップに参加する姿が見られ大変賑わいました。