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季刊誌 駒木野 No.181

季刊誌 2017.08.31

「グループホーム駒里」を開設して

院 長 菊本 弘次

平成29年7月1日、昨年度から準備を進めていた「グループホーム駒里」が西八王子駅にほど近い場所で開設となりました。7月早々には最初の入居者を迎え、入居依頼は駒木野病院以外の市内精神科病院からも頂いており、9月には5つの居室が埋まる予定と聞いております。担当職員からは「駒木野病院らしい」あるいは「駒木野病院ならでは」のグループホームを実現したいという意気込みが伝わってきます。頼もしい限りですが、あまり難しく考える必要はありません。迷ったら、地域では何を求められているのか、利用者は何を期待しているのかを最優先に考えていけば、おのずと駒木野らしさは産まれてきます。
数年前、私が院長に就任してまもない頃、ある女性患者さんから「駒木野病院は良い病院なんですよ」と言われました。理由を尋ねると「良い患者さんがいっぱいいるから」という答えが返ってきました。内心、「お医者さんが良いから」とか「看護婦さんが優しいから」などの言葉を想定していたこともあり、少々驚いた記憶があります。その女性患者さんは統合失調症の方で何回も入院を繰り返し、ようやくグループホームに入居して地域生活が安定した方でした。今も真意がどこにあったのかは判りませんが、当事者としての自負と前向きな気持ちが表れている言葉であり、そして、「駒木野病院は利用者が主役」と評価されていると勝手に解釈しています。
主役を引き立てるのはスタッフの務めです。駒木野病院は従来からチーム医療を信条としてきました。元来、病院は労働集約的なサービスを提供する組織であり、独りよがりでうまくいくはずもありません。時にメンバー間の葛藤も生じるでしょうが、個々の職員が互いのメンバーに対して敬意を払い、同じ目的、「主役である利用者が引きたつ医療」を共有することが解決の道筋と考えます。幸いなことに駒木野病院ではどの職種をみても人材豊富です。個人的には「〇〇病院といえば誰々さんがいる病院ですよね」の誰々さんが、多くの職種から何人も挙げられることが良い病院の基準の一つと考えています。駒木野病院は十分に基準を満たしています。
今年、長きにわたり駒木野病院の顔としてご活躍して来られた神マチさんが理事職を辞され現場を離れられました。これからは顧問として病院をサポートして頂きます。神さんは、困難な局面においても、揺らぎない信念で「駒木野病院らしさ」を追求されてきました。また、私にとっては、まさに駒木野病院との縁結びの「神」ともいえる人です。感謝の言葉しかありません。ありがとうございます。チームのメンバー構成が変わってもチーム力を維持し向上させるのが院長の務めと自覚しております。

SSK駒木野 活動実績(2017.4-6)

4月
【本人・家族支援】
7日(金)いっぽの会茶話会
15日(土)友遊会(年間計画を決定)
21日(金)いっぽの会茶話会
28日(金)元気の広場

【地域連携】
6日(木)包括支援センターと出張相談会等の振り返りと今年度について話し合い。
26日(水)病院見学会
29日(土)中散田寿康会総会での講演「認知症や高齢期に起こりがちなこころの不調」(渡辺Dr)
【その他】退院支援委員会でも年間計画を決定。
5月
【本人・家族支援】
13日(土)ファミリープログラムがスタート
19日(金)いっぽの会茶話会、
20日(土)友遊会(外出:小金井公園散策)
26日(金)元気の広場
27日(土)サポートグループ
【地域連携】
保健所や学校関係者等から病院見学や講演講師の依頼調整
31日(水)多摩心理教育ネットワークの標準版研修会
【その他】
八王子市自立支援協議会で行うピアサポーターの病院訪問を本格的に開始
6月
【本人・家族】
2日(金)いっぽの会茶話会
8日(木)ピアサポーターの病院訪問(E2)
10日(土)ファミリープログラム②
16日(金)いっぽの会茶話会
17日(土)友遊会:学習会「訪問看護について」
23日(金)元気の広場
【地域連携】
16日(金)山田病院の院内学会参加
17日(土)共済立川病院新棟内覧会

特集 グループホーム駒里

副所長 古明地さおり

7月1日、院内外のたくさんの皆様のご協力により、八王子市散田町に、一般のアパート5室を借り上げ、医療法人青溪会においてはじめての障害福祉サービス事業所である「グループホーム駒里」が開設しました。現在(8月4日)、1名の方が入居されており、今月中にもう1名の入所を予定しています。少しずつではありますが、業務が軌道に乗ってきていると感じております。また、当院のみならず他院利用者の方々の問い合わせやご見学希望も複数頂いており、本当にありがたく思います。
さて、駒里は「通過型」といわれるグループホームです。「通過型」というのは、利用期限が概ね2年と区切られ、この間に一人暮らしができるよう、家事等の力をつけたり生活リズムを整えたり、必要な時にどう支援者に相談していけばよいか、ということを身に着けていく目的があります。近い将来の単身生活を目標に、利用者も職員も一緒に取り組んでいきます。最初はできなくても徐々にできることを増やしていったり、できないことについては、どのような支援があればよいか、ということを考えながら、利用者それぞれのペースでやっていけたらと思っています。
そして、運営開始してまだ1か月ですが、グループホーム卒業後も利用者が安心した生活を送るためには、私たち駒里職員が単独で頑張っても到底難しく、病院・訪問看護・グループホーム以外の地域支援、多くの力を合わせていかなければ、作り上げられないのだと実感しています。
なにぶん、私たち職員もほぼ初めての事業です。皆様のご協力を得ながら、利用者の方と共に、進んでいけたらと思います。これからも、グループホーム駒里をどうぞよろしくお願いいたします。

 

初めまして駒里です。

7月1日、散田町に開設しました。顧問医渡邉先生、管理者二瓶次長、古明地副所長、世話人遠藤・青木の計5名で運営しています。より良いグループホームにするために、多くの方の知識とアイディアが必要です。もし興味を持ってくださいましたら、ぜひお声掛けください。

-グループホーム駒里の理念-

その人らしい暮らしを共に作る

家事や生活費のやりくりが完全にできる必要はありません。自分で少しでも出来るようになりたいと思っていれば大丈夫です。入居者それぞれの、その人らしい生活の実現のために、皆さんと一緒に考えていきます。

グループホーム駒里の紹介

入居対象

利用期限:概ね2年

  • 東京都内に住所がある方
  • おおむね65歳未満の方
  • 精神科疾患をお持ちの方
  • 週2回以上日中通える場所がある方
  • 家事や生活費の管理が概ねできる方
  • ルールを守ることができる方
  • 居室・敷地内で禁煙ができる方

施設概要

共同生活援助事業
(介護サービス包括型・通過型)
住所:八王子市散田町居室5室
1Kアパート バストイレ別
交流室 日中利用ができます。

基本設備

IHコンロ・エアコン・冷蔵庫・電子レンジ 洗濯機・テレビ 照明・防炎カーテン

職員体制

管理者、顧問医、常勤職員、非常勤職員 月~土までの9:00~19:00まで職員配置
夜間休日は、携帯電話による緊急対応

費用

保証金(入居時)100,000円
火災保険料(2年間)16,200円
共益費(月額)1,000円
損害保険(月額)500円
*家賃の自己負担はありません。
保証金は、退去時に原状回復にかかる費用を差し引いたのち残金があればご返金いたします。

入居までの流れ

チャレンジ!それぞれの一歩を
こまぎのフェスティバル2017開催決定!

昨年のイベントでは、多くの皆様にご来場いただき楽しい1日を過ごせたこと、職員一同心より感謝申し上げます。さて、今年のフェスティバルでは、メインテーマを「チャレンジ!それぞれの一歩を」と致しました。 当日は、隣接する高尾駒木野庭園とも共催でイベントを開催させて頂きます。また当院の会場内では基調講演会やスポーツイベント、様々な参加型の企画など、子どもから大人まで楽しみながら参加できるイベントを沢山ご準備しております。当院のWEBサイトに、詳細なイベント情報を掲載してまいりますので、是非ともご覧ください。

こまぎのフェスティバル2017

日時
平成29年9月23日(土)秋分の日 10:00~15:00 雨天決行
場所
駒木野病院 高尾駒木野庭園
内容
当院のWEBサイトをご覧ください。
問合せ
こまぎのフェスティバル実行委員会 代表042-663-2222

八王子市 特定検診医療機関に登録しました

検診とは病気の早期発見、早期治療につなげていくことが大きな役割とされていますが、実施する医師の私にとってはそれだけがゴールではありません。
病気になれば、どこか医療機関で検査して治療するという流れについてはよく認知されていますが、一方、どのように健康を創っていくかについてはほとんど考える機会が与えられていません。ひとたび病気になれば、あの病院、あの名医とたくさんの情報があふれていますが、いちばん大切なことは自ら病気にならないために健康をどうやって培うのかを考えて実践することです。検診というのは単なる事業ではなく、自分たちが健康に生きていくための「実践の場になる必要があります。
病気が進行したとき最も手放すのが苦しいことは何でしょうか?それは、思い描いていた自分の未来を手放す以上に、自分がこれまで本当にすべきだったことをしてこなかった後悔を潔く手放すことです。それは多くの先人たちが自らの体験をもって教えてくれていることです。そこから得る学びは、「病気になったらどうするか」から、「自分の健康を創る」ことによって自分の人生を充分に生ききることです。当院の検診が、蝶々の羽ばたきで大きな風がおきるが如く、皆さまの一助になりますように。

文責:医長 内科医 志水祥介