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季刊誌 駒木野 No.167

季刊誌 2013.02.01

年頭所感

小仏川の梅蕾

小仏川の梅蕾

新年おめでとうございます。昨年から建設中であったA棟が、今年2月中には完成いたします。日本中に誇れるような素晴らしい病棟です。そして、旧棟の解体、C棟外来機能の拡大、SSKなどを取り込んだE棟1階の改修工事など新棟建築に伴う関連工事もほぼ同時期に完成します。景色は整いました。今年は、この器に新鮮かつ充実した血液を、そして駒木野魂を入れる年になります。これと同時に、駒木野病院全体のアクティビティをより一層高めなければいけません。

駒木野病院は、現在に至るまで、子供から高齢者までの幅広い年齢層に対し、また、うつ病・統合失調症から薬物関連障害そして認知症に対して、それぞれのニードに応じた多彩かつ広範な精神科専門医療を提供し、地域との連携活動を重視しながら、精神医療の中でのsubspecialtyの強化を目指してきました。今後、これに関連して、まず本年度中に2つの病院機能を構築したいと思います。

一つは、臨床医療センターの立ち上げです。これには、アルコール医療センター駒木野(仮称、以下同じ)、駒木野認知症センター、児童精神科病棟と外来すこやかとを連携する駒木野児童精神科センターが含まれます。アルコール医療センターでは、解毒中心の入院プログラムと自助グループと共同の外来プログラムの明確化と強化が重要です。認知症センターでは、地域連携活動の組織化とその充実、認知症外来とメモリー外来などを中心としたケースのトリアージと鑑別診断(MRIの活用)を大切な活動とすべきと思います。こまぎのこどもセンター外来・すこやかおよび児童精神科病棟のさらなる充実もきわめて重要課題です。そして、来年度は、救急病棟の更なる拡大も念頭に置く必要があります。
もう一つは、駒木野精神医学・行動科学研究所(Center for Psychiatry and Behavioral science, CPB, Komagino Hospital)の設立です。臨床力の向上には、診療と研究活動の融合が必要です。場所は、E棟1階を考えています。

シモバシラにできた霜柱

シモバシラにできた霜柱

この研究所には、以下の研究プログラムが含まれます。それらは、脳科学研究部門(Neuroimaging Research Pro-gram : Schizophrenia, MDI, Alcoholism, Dementia研究)、児童精神医学研究部門(Child Psychiatry Research Pro-gram:Development, PDD, LD, Child Abuse研究)、社会精神医学・生活療法研究部門(Social Psychiatry Re-search Program:Nursing, Day Care, OT, treatment and outcome研究)、うつ病・ストレスケア研究部門(Depression and Stress Care Research Program:Depression, Stress disorder, Behavioral therapy, Psycho-analysis研究)を考えています。臨床に根を生やした研究と医療現場への活用が期待されます。また、3T-MRIの有効な活用が望まれます。
高尾の山々は、銀色に染まっています。毎日凍えるような寒い日が続いていますが、ほのかな春の予感を感じながら、前を向いてしっかりとやってゆきましょう。

 

 

2013 駒木野病院 Message from 4

昨年の新病棟完成から半年が過ぎ、2013年は駒木野病院にとって大きな変革の年となります。
新年を迎え、経営陣4名から新年のメッセージを頂きました。

 

1.院長 菊本 弘次

院長 菊本 弘次職員一人一人の自覚と努力を
新年あけましておめでとうございます。厳しい寒さながら穏やかな新年を迎えられたことをお喜び申し上げます。駒木野病院は、昨年、新病棟運用を開始し、今年早々には全面竣工を予定しています。
5疾病5事業を柱とする新医療計画は、精神科病院には従来以上の役割と責務を課すものです。当院にはその期待に応えられるような土台と「新しい器」は準備されていると考えます。しかし、あくまで準備であり実現には乗り越えるべき課題も少なくありません。
利用者満足度、即応性、地域連携、行動制限最小化、医療安全対策などなど枚挙に暇がありません。どれも従来の精神科病院の常識では解決困難であり、病院一丸となって取り組むべき課題です。そして、その前提条件は職員一人一人の自覚と努力に他なりません。
医療現場では、良い意味でも悪い意味でもすべての職員が「余人をもって替えがたい」存在です。おおいに重責を楽しみましょう。期待しています。

 

2.副院長 渡辺 任

副院長 渡辺 任日々の努力が地域と密接に関わっている事を意識して
職員の皆さま明けましておめでとうございます。今年は駒木野病院にとってどんな年になるのでしょうか?
昨年は2月に児童専門外来の開設、8月に新棟、児童病棟の開棟、それに伴う病棟再編、またデイケア、作業療法室、職員居室等の移転、そして電子カルテの導入等々、駒木野病院にとって本当に大きな変化の年でした。今年の目標は、その変化を軌道に乗せていくことは言うまでもなく、またその中身の充実を図ることも言うまでもありません。そして、この変化する病院の機能をより多くの地域の方々に活用して頂けることが最も大切なことだと私は思います。職員の皆さまの個々の努力がこの地域と密接にリンクしていることをもっと意識して日々の業務を取り組んで頂けることが大切ではないでしょうか。
皆さまにとって今年一年が、変化だけの年ではなくもっと充実感を持てた年となりますように頑張って頂ければと思います。どうぞ今年も宜しくお願いいたします。

 

3.副院長・看護部長 宮﨑 弘光

副院長・看護部長 宮﨑 弘光「共に成長する」をキーワードに
皆様、あけましておめでとうございます。昨年は新棟オープン、電子カルテ導入が同時に始まり慌ただしい1年でしたが、皆さんの努力によって計画も順調に進み新しい年を迎えることができました。改めて御礼申し上げます。
駒木野病院は新棟建設により新たなステージへと進みました。今こそ駒木野病院の底力を発揮すべき時です。 当院が目指している「心のこもった、質の高い精神科医療」の実現は多くの課題を乗り越えなくてはなりません。課題は解決が容易でないから課題であって、その解決には高いハードルをいくつも超える必要があります。課題が大きいほど、道のりが険しいほどその組織の力が試されます。時代の先頭に立って、より良い精神科医療を創造するのだという高い志で粘り強く取り組むことが重要です。現状に満足することなく、当院にしかできないような大きな取り組みに果敢に挑戦していきましょう。
当院の事業計画を実現するためには、様々なパートナーの力を結集することが必要です。当院職員はもちろんのこと、地域関係機関と連携し「共に成長する」をキーワードとして、皆様と一緒に頑張っていきたいと思います。
今年も皆様、当院利用者にとって実り多き年になりますことを、心よりお祈り申し上げます。

 

4.事務長 神 マチ

事務長 神 マチ医業活動の真価に挑む年に
昨年は、A棟完成とそれに伴う入院患者様の大移動という一大事業を成し遂げていただいた職員はじめ多くの関係者の皆様に心より感謝申し上げます。お蔭さまで、快適な療養環境が整備され、児童を含む幅広い患者層を網羅する精神科専門医療機関としてまた新たな一歩を踏み出す事が出来ました。一方経営的には、平成24年度第3四半期までの結果は実に厳しいものでした。ただし、環境整備に懸けた労力や資金は大きな財産であり、必ずや活きてくる事でしょう。そして、今年はその真価に挑む初年ということになります。
何はともあれ、患者様が利用し易い良い病院でなければなりません。当院が得意とする医療サービスと整備された療養環境をもって、患者様や関係者の方々、地域の皆様方にもこれまで以上の安心をお届け出来るよう誠心誠意努めて参りたいと思います。
皆様におかれましては健康に留意され充実した一年となりますよう祈念申し上げます。

 

 

2012 駒木野病院 忘年会
平成24年12月10日(月)18:30~ 京王プラザホテル「翔王の間」

恒例となっている忘年会が、12月10日に八王子京王プラザホテルで行われました。今年は、過去最高となる230人の申し込みがあり、有志による余興は、いつも通り大いに場を盛り上げてくれました。恒例のくじ引き大会も大変な盛り上がりを見せました。やはり、このような催しは多くの職員が参加してくれることが何よりだと感じました。
(理事長賞が当たった○○さん!みんなが羨ましがっていますよ!)

忘年会写真

 

 

第27回 東京精神科 病院協会学会

日 時:平成24年10月2日(火)
会 場:中野サンプラザ

学会写真昨年開催された、東京精神科病院協会学会にて、当院から2演題の発表をさせて頂きました。

[口演発表]
精神科デイケアにおける生活習慣改善プログラム 看護師:鎌田知絵
[ポスター発表]
駒木野病院における訪問看護活動報告 看護師:鈴木達也

 

 

駒木野病院 活動紹介

2012.9~2012.12

院内では、地域関係機関の方々の病院見学・実習や民生委員の方々の研修がありました。院外への研修・講演会等の講師派遣では、医師の医学講義を中心に、多摩立川保健所、西多摩保健所、市内青少年対策各地区委員会(2ケ所)、立川麦の会(家族会)、日野市民たんぽぽの会、城山介護事業所などに行っています。
新棟開棟、病棟再編に伴い休止していた病院見学会を9月から再開しました(月1回)SSKの講座再編に伴い、新たな家族支援プログラム等を10月から開始しています。

 

編集後記

世界的な不況といわれている中、昨年の総選挙以降は株価も上がり続けています。だからといって景気がよくなったわけではありませんが、病気も景気も気持ちが大切です。新たな年がスタートしました、皆さん、元気を出していきましょう!

[M・I]