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季刊誌 駒木野 No.185

季刊誌 2018.11.30

平成30年度上半期を振り返って

理事長 菊本 弘次

当院の敷地内で美しく実ったセンリョウ

記録的な夏の酷暑に秋の長雨、強風で病院構内の庭木も数本倒れましたが、紅葉を迎えた高尾の山々を背景に倒木の跡地に新しい小さな苗木が植えられていました。
最近、「未曾有」と冠する災害が毎年のように発生しています。駒木野病院は災害支援病院に指定されています。といっても特別なことではなく都内全ての病院は災害拠点病院、災害拠点連携病院および災害医療支援病院のいずれかに区分されているわけで、災害医療への貢献はどの医療機関でも責務です。当院では、院内で防災計画マニュアルを策定し、防災訓練や毎月緊急招集訓練などを実施しています。ただし残念ながらBCP(事業継続計画)と呼べる精度にはいまだ達していません。災害だけではなく、感染症のアウトブレイク、電子カルテの不調、医療安全上の諸問題など病院運営は常に種々のリスクにさらされています。院長として、より実効性の高い包括的なBCP策定に早急に取り組みたいと考えています。

グループホーム駒里ユニットⅡ・Ⅲショートステイ駒里のスタッフと

平成30年度は医療・福祉・介護のトリプル改定となりました。当院ではより効率的な病院運営を目途として、近年の入退院・病床稼働状況を鑑みて、病棟数を10病棟から9病棟へ、病床数を447床へとダウンサイジングしました。年度前半こそ病床稼働の伸び悩みもありましたが8月以降は堅調に推移しています。また、診療報酬改定で精神科救急病棟に新たな施設基準も課せられましたが、全ての項目において大幅にクリアすることができそうです。これらは職員全体の意識改革と取り組みの賜物と考えます。いまさらながらですが、当法人職員の力を実感しております。
地域貢献事業に目を向けると、こまぎの相談支援センターを高尾駅にほど近い場所で8月に開設、10月には、こまぎの訪問看護ステーション天馬北野事業所を、グループホーム駒里は八王子市椚田にて新たなユニットを新設することとなりました。新ユニットでは10月にささやかですが内覧会を開き多くの皆様に足を運んでいただきました。これらの事業は、精神障がい者の地域生活を支援するものであるのは当然ですが、より密に、より重層的に地域の仲間たちと協働していくための接点として機能するものと信じています。

こまぎの訪問看護ステーション天馬北野事業所のスタッフと

概ね順調といえる本年度の歩みですが、夏には悲報も飛び込みました。前院長である原 常勝先生が7月に逝去されました。原先生は、私が述べるまでもなく比類なき思慮深さと指導力をもって、長きにわたり駒木野病院理事長・院長の任にあたり、駒木野病院を牽引され、全ての職員にとってかけがえのない恩師でありました。葬儀が終わるまで自らの死を公表しないというのが原先生のご遺志であり厳命であったと、後からご子息からお聞きしました。複雑な思いもありますが、原先生らしいご配慮、お考えであったと自分自身に言い聞かせております。この場をかりて、先生のご冥福を祈るとともに生前のご恩義にこころより感謝申し上げます。原先生、本当にありがとうございました。

こまぎのフェスティバル2018

こまぎのフェスティバル 実行委員長 二瓶 圭一

 今年も、多くの皆様のご協力とご支援をいただき、「駒木野フェスティバル2018」を無事に開催することができました。心より感謝申し上げます。
 今年のフェスティバルでは、テーマを「このまちで、ともに~笑顔と笑顔のお付き合い~」としました。イベントにおいては、準備から当日まで関係頂いた皆様の多大なご支援とご後援をいただきながら、多くの市民の皆様にご来場いただく事ができました。また、特別講演としては、「Dr.肥沼の偉業を後世に伝える会」代表の塚本回子氏をお招きし、「八王子の野口英世Dr.肥沼を知っていますか?」をテーマにお話を頂きました。
 また、“笑顔”をキーワードに、八王子市内を中心に様々な活動をされている団体や個人の皆様にご参加いただく事により、参加型のワークショップや企画をふんだんに開催する事ができ、ご来場いただいた皆様から大変好評でした。ご協力頂いた皆様の力で、子どもから高齢者まで幅広く楽しめるイベントになったことを職員一同心より感謝しております。また、当法人のスタッフや当研究所の研究員、地域の様々な機関によるブースの開設や、様々なステージイベントやミニイベント、屋台、福祉事業所による販売、体験コーナー、家族会や各種ボランティアの参加など、地域からも多数のご参加をいただき、様々な交流をさせて頂きました。来場者数も3,000人を超え沢山の市民の皆様にご来場いただけたことを心より嬉しく感じております。
 素晴らしい高尾の自然の中で、皆様からのご協力を頂きながら、会場を訪れた皆様が楽しく一日を共に過ごせたことに、職員一同大変嬉しく感じております。今後も、イベントを通じて当院の医療活動に寄り添える活動を継続できればと考えております。来年も、イベントで沢山の笑顔に出会えることを今から楽しみにしております。皆様ありがとうございました。

特別講演 八王子の野口英世「Dr.肥沼を知っていますか?」

講師「Dr.肥沼の偉業を後世に伝える会」代表塚本 回子氏文:新井山 克徳

当日の会場ではまずDr肥沼の活動を紹介したVTRを上映、真剣な表情で画面に見入っている来場者の皆さんが印象的でした。上映後塚本代表からの講話があり、市内の中高生が刺激を受けて様々な取り組みを始めていることなどを聞くことができました。八王子の偉人とその功績について、新たに知ることができたとても貴重な講演となりました。

 

2018年9月23日[日] 10:00-15:00
主催︓駒木野病院/共催︓高尾駒木野庭園指定管理者 駒木野庭園アーツ
後援︓八王子市/八王子市医師会/八王子市教育委員会
八王子市社会福祉協議会/浅川地区町会連合会/浅川地区住民協議会/浅川地区社会福祉協議会
協力・参加団体:株式会社エームサービス/NPO法人多摩草むらの会/シンクメディア/北野調剤薬局高尾店/地域活動支援センター連/株式会社ウェルサポート(ヤマザキYショップ)/田中農園/菱山ファーム/東京八王子ビートレインズ/創価大学/八王子看護専門学校/大道芸タケト/ゲンキダーJ/一般社団法人相模原ダルク/アロハ・アーヌエヌエ/八王子ママの会/SOLZIC/柏木もとひろ/スタジオアン/NPO法人ポケットパーク/NPO法人あるがハッピーフルーツ/ディープフォレスト高尾店/NPO法人八王子ワークセンターかてかて/ファニー・フェローズ・ジャズオーケストラ/ナガイレーベン株式会社/株式会社カオスエージェンシー/多摩在宅支援センター円/八王子市子ども家庭部/地域生活支援センターあくせす/アウディオペーデアンサンブル/NPO法人あるがホープスカイ/CREAP&Co/ONE DAY COFFEESTAND/バルーンアーティスト★chisato/多摩養育園光華/多機能型事業所すぺいろ/まーがれっと/キープ/ふれあいギター倶楽部/アンドファームユギ/田中栁子/NPO法人チェロ・コンサートコミュニティ/子ども家庭支援センター/千人保育園/八王子精神保健福祉ボランティアの会(いっぽの会)/ボランティアセンター/多摩草むらの会家族会/JR高尾駅/タウンニュース/稲葉(音響) /精神医学・行動科学研究所/こまぎの訪問看護ステーション天馬/グループホーム駒里(敬称略・順不同)エイサー・フラダンス・各種体験イベント特別講演

看護部新入職員宿泊研修

看護部教育委員 真地 寿

半年間それぞれの病棟で成長してきた新人看護師が、病棟を離れて駒木野病院について改めて学び、自分自身を見つめ直し、さらに成長するための方法を考えることができたと思います。また、夕食での野外炊飯やグループワークレクリエーションでは、個々の持ち味が発揮され、チームワークに貢献できていました。同期の仲間との連携を強めることができ、今後の意欲向上にもつなげられる貴重な時間を過ごせたと思います。

「研修を通して学んだこと」

新入職員 山内 麻由

私は今回の宿泊研修を通して、駒木野病院で働く看護師としての意識や姿勢を学ぶことができました。講義やグループワークの中で、駒木野病院が大切にしていくことや目標を知り、理解を深めることができました。また、日頃看護を実践する上での基本となる考え方を学び、入職からこれまでの半年間の自分を振り返ることができました。研修の中で学んだ看護の考え方を病棟に持ち帰って実践していきたいと思っています。今回の研修では、グループでの活動やレクリエーションが多く、同期生の横のつながりがより一層強くなったと感じました。同期生と意見交換をすることで、新たな気づきを得られたり、お互いに理解を深めることができました。今後も病棟間での連携が大切になってくると思います。同期生の横のつながりを生かして今回の学びや気付きを病棟で実践していきたいです。

東京都精神科病院協会に参加して

看護部 則村 良

10月23日に新宿の京王プラザホテルで第32回東京精神科病院協会学会が開催され、私も参加させていただきました。この学会は都内66もの病院が加盟しており、実に多くの病院、職種が参加しています。そのため、研究の演題発表も多様性があり、普段は看護系の学会に参加することが多い私にとっては、色々なことに考えを巡らせる貴重な機会になりました。他のプログラムもホットな話題を取り扱うことが多く(菊本院長が座長を務め、新井山科長がシンポジストをされた『精神障害者の就労支援』のシンポジウムは何か狙ったのではないかと疑うくらいでしたが…)、たくさんのことを学べたと思います。また今回は恥ずかしながら、私も『再考、チーム医療』というタイトルでランチョンセミナーの講師をさせていただきました。当院の活動の紹介を交えながらチーム医療を考え直すという試みをし、原常勝先生が「当院の流儀」とまでおっしゃったチーム医療をテーマに取り扱うのは緊張しましたが、各所からの反響も良く、ホッとしているところです。東京精神科病院協会学会は来年も開催されますので、ぜひ皆様も一度ご参加ください。何かしらの気づきや学びが生まれると思います。

医療法人財団青溪会ホームページ


医療法人財団青溪会の法人サイトを10月に新規開設いたしました。
駒木野病院、こまぎの訪問看護ステーション天馬、グループホーム駒里、こまぎの相談支援センターの事業内容など、青溪会の情報をご紹介しておりますので、一度ご覧ください。
URL:https://www.seikeikai-group.or.jp/

青溪会理念

[こころに寄り添い、生きる力を支援]

【皆様への五つの約束】

  1. 私たちは、地域社会の一員として、一人一人の心の健康を全力で支援します。
  2. 私たちは、専門医療・福祉機関として医療サービス内容のたゆみない向上に努めます。
  3. 私たちは、安全、快適、さわやかな接遇を心がけ、安らぎと回復の場を提供します。
  4. 私たちは、「その人らしい生活」を目指し、本来の力を引き出し、育むことに尽力します。
  5. 私たちは、全てのご利用者が満足し納得できるよう歩み続けます。