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季刊誌 駒木野 No.168

季刊誌 2013.05.07

集合写真

新年度を迎えて

あしかけ2年に及ぶ駒木野病院新棟立替事業も平成25年2月末に無事に竣工を迎え、平成24年8月から運用開始した児童精神科病棟は順調に実績を重ね、25年1月には専用病棟としての施設基準を満たすことができました。まずは、激動の24年度を支えてくださった全ての病院職員のみなさん、そして暖かく、心強い支援を頂いた地域の皆様および関係各位に心より感謝申し上げます。

新年度を迎え、駒木野病院は新たに22名の仲間を迎えることとなりました。さらに、今年度から、児童精神科病棟に入院する児童・生徒を対象とする訪問教育が始まります。4月10日には新棟グリーンホールにて始業式が実施され、八王子支援学校から6名の教員の先生方が駒木野病院に赴任されました。地域連携とチーム医療を信条とする駒木野病院に、新たな利用者支援の形が生まれることは大いなる喜びでもあり、同時に重責も感じています。

まずは順調に滑り出した25年度といえますが、積み残した課題、明らかな課題も少なくありません。経営面においても、昨年度は想定以上の体力消費を余儀なくされました。精神科専門医療の一層の充実を図るための、アルコール医療、児童精神科医療および高齢者・認知症医療各々のセンター化は24年度事業として掲げていたものであり実現が急がれます。また、3.0テスラのMRIを始め、建て替え事業で創出されたハード資源も十分に活用されるには至っておりません。なにより、職員一人一人があわただしさの中で見落としてきたことはないかと再点検し、腰を据えて「こころのこもった精神科医療」に取り組むことが重要です。

最近、マスメディアで「異常気象」という言い方を聞かなくなったように思います。遅い春、豪雪、集中豪雨そして地震も「異常」な事象ではなく、当然起こり得る事象として認識し備えなくてはという意識の現れだと私は考えます。数年以内に大きな確率で発生するといわれる首都直下型地震。実効性のある防災対策は駒木野病院においても喫緊の課題として取り組んでいきましょう。

院長 菊本 弘次

駒木野病院 フレッシャーズインタビュー

副院長・看護部長 宮﨑 弘光

新入職者の皆さん、入職おめでとうございます。皆さんが当院で第一歩を踏み出すことを心より祝福し歓迎いたします。

新入職者を迎えるということは組織にとってはとても重要なことです。組織は構成員が固定化してくると、新しい発想や組織の活力を生み出すエネルギーが消耗し活気がなくなります。また、閉鎖的で固定的な観念や職員同士のなれ合い的な風土が仲良し集団へと変化し、組織の発展に大きな妨げになります。

新入職者がもつ若いエネルギーと瑞々しい感性は組織を若返りさせ、組織に活力を与えてくれます。病院にとって新入職者がはいってくるこの時期は、若い力と感性をうまく活用し、病院のエネルギーを補給する絶好の機会です。

新入職者の皆さん、仕事が始まり解からないことや壁にぶつかることがあると思いますが、失敗を恐れることなく積極的に取り組んでいただきたいと思います。特に必要なことは「努力」と「調和」だと思います。努力を怠らず周囲と調和すること、この両立が大切です。当院が目指す「心のこもった、質の高い精神医療」実現のため共に頑張っていきましょう。

新人研修

新人研修

 

入職式

入職式

 

新人歓迎ボーリング大会

新人歓迎ボーリング大会

 

看護部長と新人看護師

看護部長と新人看護師

 

平成25年度新人職員と各部門

平成25年度新人職員と各部門責任者

 

看護師 高野 真衣

駒木野病院に入職をして、この新任者研修で精神科看護について様々な講義を受けることができました。その中で、一番印象に残った講義は、「討議の進め方」です。「信頼される看護を実践するために」というテーマのもと、私たちは実際に討議を行いました。その中で、患者さんとの約束を守れないことは不信感を持たれるという意見がありました。そのようにならないためには、時間管理をきちんと行い、ゆとりある対応をすること、また時間管理を行うために、自分の力量を把握することが必要であるという結論に至りました。信頼される看護を提供するために、自分の力量を把握した無理のない行動計画を立て、ゆとりある対応を心がけていきたいと思います。信頼される看護師を目指して駒木野病院で成長していきたいと思います。

 

看護師 根本 紗希

社会人としてのマナーや看護師として知っておかなくてはならないことを、この5日間で学び、ようやく自分が看護師になるという実感がわいてきました。病棟はどんな様子なのか、自分は患者さんのために最適な看護を提供することができるのかわからず不安はたくさんありますが、わからないことは先輩方にしっかりと質問して、少しずつ成長していきたいと思います。研修で教育委員の先輩方や他の部署の方から講義を受け、今まで知っているつもりでいたことも、実際はしっかりと理解できていないことがたくさんありました。学生のころはわからないことがあっても教員や臨床指導者に教えてもらうことができましたが、これからは自分で課題を見つけ、わからないことを自分で調べるなどして積極的に成長していきたいです。今の患者さんや看護に対する思いを忘れずに信頼される看護を実践したいと思います。

 

看護師 犬童 彩香

私は、不安を抱いてこの病院に来ました。内定をいただいたときには、希望も多くあったのですが、いざ始まるとなると不安で3、入職前一週間はあまり睡眠もとることもできないほどでした。しかし、始まってみると自己紹介や様々な研修を共に行う同期と次第に仲良くなり、教育委員の方も親身になって対応してくださるうちに、少しずつ不安も和らいでいき、楽しく研修を受けることができました。研修では、これから駒木野病院で働くうえで必要となってくる精神科看護の観察点や疾患、薬物療法など看護に必要な情報だけではなく、社会人として、専門職業人としての言葉使いや態度、接遇なども学ぶことができました。私は、この研修で学んだことを無駄にすることなく今後の生活に生かしていこうと思います。

 

精神保健福祉士 高橋 優紀

入職して2週間が経ち、先進的で、様々なニーズに対し熱心に取り組まれていると伺っていた当院に入職することができた喜びを感じています。PSWとしてまだまだ半人前にも満たない私ですが、患者様やご家族が安心して、質の高い医療を受けられるよう、他の専門スタッフの皆さんと共に精一杯サポートしていきたいと思っています。また、退院後の生活支援への積極的な取り組みや、医療と地域をつなぐ窓口の役割を担うことで、当院のますますの地域社会貢献、患者様のより充実した生活の実現を目指していきたいと思います。先輩方の指導の下、幅広い視野と知識を身に付け、あらゆる場面で患者様やご家族の力になれるPSWを目指し、日々努力してまいります。

駒木野病院がグランドオープンいたしました。

事務長 神 マチ

平成22年7月に医療施設近代化施設整備補助事業の決定が下されたとで、南病棟(当該事業で解体)の建て替えが予定よりも数年早く取り掛かる事になりました。着工から2年後の平成25年3月15日に外構を含む全ての工事が完成し引渡しを受ける事が出来ました。今、整理すべき書類の山に囲まれ、いかに大事業であったかを実感しています。

着工間もなく発生した東日本大震災による様々な影響と格闘しながら完成させた共同建築設計事務所、戸田建設の関係者の皆さん、建設を見守り応援して下さった近隣住民の方々、そして日々の活動に加えて工事や病棟再編に係わる作業、電子カルテ導入に追われながら無事故でこの日を迎えた全職員に心より感謝です。

ここで、共に建て替えに携わった3人の精鋭の言葉を掲載します。

医事課 池田 恵三

全てはA棟を良い物にするために。厚生局、東京都、建設委員会での打ち合わせ、仕様変更を幾度となく行い、その都度大量の届出書類を作成し提出しました。そして、開棟に伴う達成感。建設に係れてうれしく思います。

総務課 川村 光希

家具什器類の調整・病棟再編・勤怠システム導入・廃棄物品調整と挙げればきりがない程の経験をさせて頂きました。見て触って選んだ家具を実際に使っている患者様・職員を見て、使う側の目線に立てたのか、今後の評価が恐くもあり、ただただ嬉しくもあります。

施設係 加藤 佑一

グランドオープンを迎え、春の日の中、A棟はより立派に見えます。新たなスタートに際し、また気持ちを引き締め、施設係として今後も変化に柔軟に対応し、つつがなく医療を行う場を支えてゆけるように、チーム一丸となって取り組んで行く所存です。

駒木野病院グランドオープン

平成24年度 駒木野病院 医療実績

平成24年度の医療実績としましては、入院数908件及び退院数908件となり、前年度から微減しました。平均在院日数は179日と在院期間の短期化が継続しています。また外来では、前年度に比べて患者数は増加し、新規患者数においても、こまぎのこどもセンター「すこやか」が開設した影響で、大きく増加しいます。新規患者の疾病分類のグラフでは、F4:神経症性障害,ストレス関連障害および身体表現性障害とF0:認知症及び器質性精神障害で全体の48%を占めており、当院の診療機能の特徴を表しています。

第63回全関東八王子夢街道駅伝競走大会

陸上部 部長 宮脇 真一郎

今年も男女ともに各1チーム、八王子夢駅伝に出場し無事、タスキを繋ぐことができました。応援してくださった皆さん、本当にありがとうございました。

昨年は新棟の完成により駒木野病院にとって新しいスタートの年となりました。病院がアクティブなチャレンンジをしているため、陸上部も元気に走り地域の皆さんにもっと駒木野病院を知ってもらいたいという気持ちで走りました。沿道での「駒木野病院がんばれ!」という声援は地域の皆さんの期待の表れであったと思います。その期待に負けないように、今年も走り続け、前向きに進んで行きたいと思います。

駅伝写真1

駅伝写真2

 

認知症サポーター養成講座 開催!

開催:2013.2.23(土) 場所:駒木野病院グリーンホール

サービスステーション駒木野 室長 山口 多希代

認知症サポーター養成講座この企画は地域包括支援センター高尾との共催事業です。当日は地域の50代から70代の方を中心に110名を超える方々がいろいろな思いや期待をもって集まってくださいました。この日のメインは認知症と診断された方のお話しでした。「こもりきりあかん」ということで、朝起きてから寝るまでの日常生活や積極的に外出するための極意など、とてもリアルに、そしてユーモラスに語ってくれました。日常のすべてが脳トレという行動は、究極の認知症予防、認知症治療、参加者への応援メッセージでもあると感じました。笑いの中に学びあり納得あり感動あり、会場全体が熱気と一体感に包まれた会でした。ご本人も大満足の出来栄えだったそうです。