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季刊誌 駒木野 No.170

季刊誌 2013.11.29

患者様の権利

当院における精神科看護の未来

副院長・看護部長 宮﨑 弘光

 精神疾患は生活習慣病と同様に、誰もがかかりうる病気であり、精神科医療の需要は、多様化し、かつ増大していくことは明らかです。今後の精神科医療のあり方としては、外来・地域ケアを基本とした医療への転換を目指し、児童から高齢者まで幅広い年齢層を対象に、多様な疾患に対して、早期の支援が可能となる体制を構築することです。また、入院医療は高度医療を短期間で集中的に提供し、その後は地域に引き継いで行くことが加速するものと思われます。こうした時代の流れの中で、患者様の人権やプライバシーを尊重した精神科医療、そして地域と共に開かれた精神科医療を実現していくことが、精神科病院に課せられたニーズであると考えています。

当院は、精神科医療の需要を捉え、それに応えながら日々変化をしています。現在に至るまで、精神科救急医療体制の構築、児童精神科外来・病棟の開設、アルコール、児童、高齢者のセンター化による専門医療の充実、訪問看護、退院支援及び地域との連携強化、そして看護部では、専門看護師・認定看護師の導入(リソースナースセンター設置)など、時代が求める精神科医療の流れを捉え、機能やシステムを見直してきました。また、当院の医療の柱となっているのは、患者様の権利を保障し、パートナーシップを結びながら、人権を尊重する医療を実践することです。

そしてハード面においては、病棟の個室化によるアメニティとプライバシーを保障した治療環境を提供し、治療契約に基づくパートナーシップを前提とした良好な関係を結び、さらには、患者様の権利を保障しながら、法令順守を基本とした医療・看護を実践することが治療信念です。しかし、精神科医療の構造の変遷とは対照的に、精神科看護の本質は不変です。「こころ」の健康という観点からも“見守り続ける”ことが大切だと考えています。そして、看護職員は、高い知識と技術そして倫理観に基づきながら、児童から高齢者まで全ての領域でその力を発揮し、退院支援や地域連携ができる視野とスキルを身に着けながら、他職種と連携し高度な看護実践ができるように、日々努力しております。私は、いつも未来に向かって歩み続けるために、心に留めている言葉があります。「人は内省を通じて学び、変化し成長する」と言う言葉です。内省を行うと、その後は未来に向かって挑戦するしか選択肢が無くなります。また内省を繰り返すことで、新たな気付きを生み、明日への活力を促し成長へとつながると考えています。

最後になりますが、当院の未来への方向性を導く原点は、地域とご利用者様からのニーズです。私たちは「患者様の権利」に謳われている言葉を治療の柱としながら、誰のための医療なのか、なぜ医療人として存在しているのか、そして何をすることが必要なのか、未来に向かって「内省」を試みていきたいと思います。必ず、新たな未来が開かれて行くものと信じています。

こまぎのフェスティバル2013開催

実施日:2013.9.29(日)会 場:駒木野病院 みんなの広場・外来駐車場

実行委員長:山口 多希代

去る9月29日(日)新しくなった駒木野病院の敷地内で『こまきのフェスティバル』が盛大に行われました。主催者と参加者の気持ちが天に通じたかと思うような秋晴れの一日でした。まるでこの日のために作ったかのような芝生広場(屋外ステージ)では、吹奏楽、太鼓、チェロや歌、チアダンス、よさこいソーラン、フラダンスと、次々に繰り広げられる多彩なステージに五感を刺激され多いに楽しむことができました。

模擬店は、定版の焼きそば、豚汁、焼き鳥をはじめ、チョコバナナやポップコーンなどお子さん向けのお店もありました。いつもの職員食堂はラーメン屋さんに早変わり。地域の就労支援事業所の方々にも参加していただきました。たい焼き、五平もち、何種類ものパンや野菜、カフェやブローチづくりなど、どのお店もおいしく行列ができたり売り切れたり、うれしい悲鳴や笑顔のやりとりであふれていました。この他、お蕎麦屋さんのだし巻き卵やスープは、なかなか味わえない絶品。プラ版キーホルダー、チェロ弾きなどの体験コーナーもありました。古本屋さんには絵本の交換会や紙芝居をやってもらったり、子育て応援企業の方々には子どもたちが喜びそうなダンボールハウスやバルーンアート、休憩がてら積木やお絵描きが楽しめるスペースなど作ってもらいました。そして八王子のヒーロー「ゲンキダーJ」さんや「たき坊」さんもかけつけてくれました。

たくさんの方々のおかげで、赤ちゃんから高齢の方まで、また当院を利用してくださっているご本人やご家族、地元の方から人づてに聞いたと遠くから来てくださった方々まで、本当にたくさんの方々がここを訪れ楽しい時間を共有できたような気がします。

最後に、地域の皆様や関係者の方々始め、多くの皆様のご支援ご協力をいただきましたことを心より感謝し御礼申し上げます。

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10:00~ 開会式・表彰式 吹奏楽演奏:共立女子第二中学校高等学校 チェロ演奏:NPO法人チェロ・コンサートコミュニティ

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 11:00~ 太鼓演奏:武州今熊健成子供太鼓

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12:00~ ステージショー:柏木もとひろ

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13:00~ 踊り:よさこいソーラン チアダンス:アクアマリン ご当地ヒーロー ゲンキダーJ&八王子ゆるキャラ たき坊ショー

14:00~ フラダンス:アロハ・アーヌエヌエ

15:00~ 閉会式

●ご参加頂いた団体(順不同・敬称省略)

多摩草むらの会 ディープフォレスト ハッピーフルーツ NPO法人チェロ・コンサートコミュニティ 蕎麦と雑穀料理 杜々 共立女子第二中学校高等学校 武州今熊健成子供太鼓 柏木もとひろ&RIMAKO アクアマリン ご当地ヒーロー ゲンキダーJ 八王子公認ゆるキャラ たき坊 アロハ・アーヌエヌエ(株)ウェルサポート・ヤマザキYショップ(株)FVP「たい焼き事業部」(株)エームサービス まつおか書房 げんせん館 NPO法人ポケットパーク SUNSUNパパさんの会 子ども家庭支援センター

フェスティバルを振り返って

事務長 神 マチ

A棟建設に伴い、南病棟解体後の空き地は来客者用駐車場であると同時にイベント会場に転換出来るデザインに仕上げました。設計士さん、建設会社の方々、安全に工事が進行する事を願って工事期間中係り続けて下さった近隣町会役員の方々も勢ぞろいする中で「こまぎのフェスティバル」は開催されました。何時の時代も、祭りには感謝や祈りが込められているもので、当院もまたその意味がこめられていたにちがいありません。
主催者、演者、出店者、来客約1,000人が集い、それぞれの目的や思いをもって参加した「こまぎのフェスティバル」に流れていたものは、これほどまでに開放化された精神科病院のイベントに立ち会うことで精神科医療への偏見や差別を乗り越えていく自身や社会への直面であったのではないかとさえ感じたのは私だけだったでしょうか?
それにしても、緻密な計画と実行力と湧き上がる情熱で「こまぎのフェスティバル」を大成功に導いた実行委員会の皆さんには深く敬意を表します。

当日までの様子

防災訓練 (首都直下型地震想定)

実施日:2013.9.5 対象病棟:E病棟

防災

文責:事務部 部長 井出 光吉

9月は全国各地で様々な防災訓練が行われており、当院においても首都直下型地震、震度7を想定した防災訓練を行いました。当院は、地域の町会とも防災協定を締結しており、地域の方々にも多数ご参加いただきました。一昨年の3.11以来、社会的に防災に関する意識が高まってきており、備えと訓練の重要性は益々増していくものと思われます。駒木野病院においても、より実践的な訓練を取り入れていきたいと考えています。

接遇研修

株式会社マネジメントサービスセンター チーフ コンサルタント 牧野 眞知子先生

実施期間:2013-7/8 7/11(2日間4クール)

接遇

文責:医事課 課長 池田 恵三

7月の接遇研修には職員410名のうち334名(81.4%)に参加していただきました。役職者、受講経験あり、受講経験なしの3グループに分かれて、職員の方々一人一人が接遇の重要性に気付き、自発的に行えるように、講義形式ばかりではなく演習、ロールプレイング等も取り入れて行われました。「接遇」「マナー」を向上させることは、患者様・利用者様の満足度を高めるだけではなく、選ばれる病院への第一歩になるのです。さあ、これからみんなで実践していきましょう!

宿泊研修 2013.10.4-5

看護部ファーストレベルフレッシュクラスⅠ

文責:A5病棟 副主任 菊池 達樹

新人看護師を対象とした宿泊研修を実施しました。研修では、知識の確認テストやグループレクリエーションを行いました。最初は、緊張した面持ちの研修生が多く居ましたが、次第に緊張がとけ、夕食の野外炊飯ではチームワークを発揮し、調理を行えていました。2日目は講義や作文、自己目標の振り返り、ポジティブフィードバック、鬼塚副部長の講義を受け全日程が終了となりました。2日目はさらに自然体で研修ができ、非常に良い状態で研修が進んでいました。終了後には、個人目標を設定し研修に臨んだ結果、自己の課題を明確化できたという声が多く聞かれました。自分自身も教育委員1年目であり、教育委員にも今後につながる非常に実りの大きい研修になったと感じました。

三多摩病院野球連盟秋季大会 1部リーグ優勝!

開催日:2013.9.23(月) 場所:八王子市 滝ガ原運動場野球場

野球

A2病棟 看護師 山下 俊弥

駒木野病院野球部は、三多摩病院野球連盟秋季大会で優勝し、春季大会に続いて2連覇を達成することができました。みんなで、連覇という目標を内に秘め、春季大会後も定期的に練習や試合を行いながら、力をつけてきました。力を合わせて一つのことを成し遂げることは、仕事の場ばかりでなく、このような活動の場面においても格別のものがあります。これからはオフシーズンとなりますが、3連覇を目指して来春も早めに始動していきたいと思います。