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季刊誌 駒木野 No.200

季刊誌 2024.06.30

「活気」と「魅力」の溢れる青溪会

駒木野病院 理事長・院長 菊本 弘次

透き通るような初夏の青空

 

令和6年4月6日、70名を超える職員が参集し新入職者歓迎ボウリング大会が5年ぶりに開催されました。コロナ禍は多くの忍耐と疲弊を強いてきましたが、今年度、青溪会は青溪会らしい「活気」と「魅力」を取り戻すことを年度テーマとしました。ボウリング大会はテーマ実現のための、歓声と熱気にあふれたキックオフミーティングとなりました。

さて、令和6年度は診療報酬改定および障害福祉・介護サービス改定が令和6年6月から実施されます。改定は医療機関に対して多岐に渡り高い精度と要件を求めており、とりわけ政府が目玉とする賃上げを目的にした報酬上乗せに関しては極めて複雑で手間のかかる要件となっています。
簡単ではありませんが、改定の本質は地域医療の一層の充実と働きやすい職場環境づくりにあると捉え、青溪会は手間を惜しまず、法人が精神科医療・福祉に培ってきた経験と資源を十分かつ柔軟に活用することで対応していきます。

また改正精神保健福祉法が令和5年4月から順次施行されていましたが、令和6年4月から医療保護入院の入院期間を基本的に6か月以内とする規定改定と、昨年度から精神科病院に課せられた虐待対策に加え、精神科病院職員は虐待を受けたと思われる精神障害者を発見した場合には速やかに通報することが義務付けられました。問われているのは精神科病院の透明性です。

駒木野病院では、今年度、院内の虐待防止委員会に当事者を含めた第3者委員を加えることとしました。ただし、定義はあっても明瞭な線引きのない「虐待」に正直なところ戸惑いと不安をぬぐうことはできません。だからこそ、職員個々のスキルアップを大前提として、胸を張って魅力あるサービスを提供するためにも職員同士の活発なコミュニケーションは最重要課題となります。

令和6年度、職員一人一人が実感できるよう広範なサポート体制づくり、将来構想を踏まえたうえでの機能的な病棟改修や施設整備、それから駒木野フェスティバルの開催などなど、青溪会には盛り沢山の予定が待っています。一つ一つ前進します。

最後になりますが、4月から昨年度防衛医科大学校精神科学教室教授を退官された吉野相英先生が30年ぶりに駒木野病院の常勤医師となり、院長補佐という役職を担っていただいています。本当に心強い限りです。本年度最初の「青溪会の魅力」情報です。

2024年度入職式


当法人経営陣と新入職者22 名一同


2023 年4 月、医療法人財団 青溪会の入職式が執り行われました。
今回新たに入職された職員は、医師5 名、看護師13 名、作業療法士1 名、精神保健福祉士2 名、事務職1 名の合計22 名です。
青溪会の将来を担う、22 名の今後の成長と活躍を期待します。

新人研修を終えて

看護師 村田 璃空

6日間の研修を過ごし、看護師としての基礎的な部分を振り返ることが出来た。看護師は専門職としての自覚を持ち高度な医療の提供が求められる。そのためにも日頃の自己研鑽に努めていくことが必要である。
特に精神科領域では、コミュニケーションの技術が大切である。患者様への思いやりは大切であるが、自身が医療者であることを忘れてしまうと、いきすぎた介入となり適切な治療へとは繋がらない。患者様との関わりを通す中で自身にはどのような傾向があるのかを振り返り、良い看護へと繋げていきたい。

今回の研修での学びは看護師として、一人の人間として大切な基礎であり、忘れてはならないことだと考える。誇りをもって医学に携われるよう努力していく。

看護師 青柳 温希

新人研修を通して、社会人・看護師として心構えや病院の基本的構造・規則等を学んだ。精神科で看護師として働くことは、私にとってずっと憧れで、日々の研修は大変興味深い内容が多く新鮮だった。またこれから成長をともにする同期や、お世話になる先輩、他の職種の方々ともお話させて頂く機会もあり、これから仲間の一員として働けることを非常に誇らしく思った。

しかし研修を終えた今、まだ「自分は看護師である」という自覚を持てていないのが正直な思いである。大学・研修で学んだことはまだ紙面の域を出ておらず、現場に立つことに不安も多い。だが同期も皆同じ思い出あり、不安を自信に変えていくためには学び続けることが重要である。

先輩や多職種、患者様から積極的に学びを得ることで、根拠ある自信と自覚を持った看護師を目指していく。

編集後記

病院の周りでは燕が巣作りの場を探しに飛び回っている光景をよく見かけます。ヒナの姿を見ると心が和むのは私だけではないと思います。この燕にちなんだ「つばめのねぐら入り」という言葉をご存知ですか? 7月下旬から8月上旬にピークを迎え、夏の夕暮れ時に見られる自然の美しい現象です。昼間、活発に飛び回っていた燕たちが日が沈む頃になると一斉に帰巣します。その姿はまるで黒いリボンが空を舞うようで見るものを魅了します。ねぐらに戻ると互いに寄り添いながら休息を取ります。この光景は燕たちの絆や自然の営みを感じさせ、忙しい日常に癒やしをもたらしてくれます。多摩川の中流域でも観察出来るそうなので、みなさんも夕暮れ時に飛ぶ燕の姿を探してみてはいかがでしょうか。

デイケア科 科長 五島 さとみ