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季刊誌 駒木野 No.189

季刊誌 2020.05.01

令和2年度を迎えて~新理念について~

理事長菊本 弘次

 令和2年度、医療法人財団青溪会は法人理念を改定し、それに伴い、理念の細則である「皆様への5つの約束」も新たにいたしました。
新法人理念は

こころに寄り添い、生きる力を支援

【皆様への五つの約束】

  1. 私たちは、地域社会の一員として、一人一人の心の健康を全力で支援します。
  2. 私たちは、専門医療・福祉機関として医療サービス内容のたゆみない向上に努めます。
  3. 私たちは、安全、快適、さわやかな接遇を心がけ、安らぎと回復の場を提供します。
  4. 私たちは、「その人らしい生活」を目指し、本来の力を引き出し、育むことに尽力します。
  5. 私たちは、全てのご利用者が満足し納得できるよう歩み続けます。

病院から見える春の風景

 改定の経緯についてご説明します。従来、青溪会は「心のこもった、質の高い精神医療」を法人理念とし、地域資源との協働を重要視し、病院機能に特化して歩んで参りました。しかし、現在、青溪会は、こまぎの訪問看護ステーション天馬、グループホーム駒里、こまぎの相談支援センター、そして令和元年には「こころの訪問診療所いこま」を北野駅の近くに開設し、医療にとどまらない精神科地域資源の主体的担い手としての事業活動を展開しております。各事業所のサービスの形は異なりますが、共通するのは利用者の「こころに寄り添う」という基本スタンスにあります。さらに、青溪会は半世紀以上の歴史を重ねて参りました。しかし、精神疾患は今もなお障害者に多大な生きづらさを強いています。今後も質の高いサービス提供は大前提としたうえで、私たちのサービスが利用者に何をもたらし、何を実現可能としたのかを、私たちは自らに問う段階に進まなければならないと考えます。歪められ矮小化されてしまった一人一人の生きる力を引き出し育むことが我々の責務です。
 新型コロナウイルスの蔓延は私たちが経験したことのない脅威です。少なからぬ恐怖と不安を精神障害者にもたらすことも危惧されます。「生きる力を支援」とした理念の真価が問われる年度とも考えます。一日も早い終息を切に願います。

新入職員へのメッセージ

副院長 田 亮介

ご入職、おめでとうございます。
 数ある医療機関の中から当院を選択していただいたことに感謝すると共に、これから一緒に仕事をしていけることをとても楽しみにしております。
 本年、特に3月以降は当院を含めて世間は何となく中止・自粛ムードの重い空気に支配されていた感じでしたが、26名の新入職の皆さんの晴れやかさと程よい緊張感に包まれた雰囲気に入職式で触れることができ、こちらとしても気持ちが引き締まる思いを新たにいたしました。青溪会はかつての病院単体の機能から訪問診療を中心とした診療所や様々な福祉事業へと近年挑戦してきています。その基本となるのは「地域や利用者の声に耳を傾けること」「ニーズを想像しサービスを創造すること」の積み重ねだったと思います。これからも常に変化しチャレンジできる、職員にも利用者にとっても魅力ある組織であり続けたいと思っています。新入職の皆さんには青溪会の一員として新たな視点と勢い・刺激をもたらしてくれることを期待しています。よろしくお願いします。

看護部部長 鬼塚 愛彦

 ようこそ医療法人財団青溪会駒木野病院へ。国として平成27年より具体的で現実的な地域における医療の総合的な確保に向けた取り組みが動き出しました。当法人は、これまでも地域との連携を重視してきましたが、更なる充実と飛躍のために地域部門を設置し、病院中心の医療活動から福祉を含め、地域の中で共に生きる法人としてチャレンジを進めています。このような中、入職される皆様には、視野を広く、利用者のニーズを捉え、柔軟に活動すること。また、その基盤である組織の一員としてのあるべき姿は何か、価値は共有できているか、何を根拠に考え、判断し、行動しているかを常に確認しながら前進してください。
 今後も活動の場は拡大し、機体や責任も増えるでしょう。しかしひとりの力は小さくても全職員が一致団結し、鳥り組みさえすれば、乗り越えられないものはありません。これは当法人一番の強みです。
精一杯、共に頑張りましょう。入職おめでとうございます。

ゲーム障害治療プログラムの開始について~RPG(Rehabilitation Program for Gaming disorder)~

医局長こまぎのこどもセンターすこやかセンター長 柳橋 達彦

 「ゲーム障害」という病名がWHOに認められたことを機に、インターネットやゲームの使い過ぎによる健康被害が注目されています。その病態には、依存症と思春期青年期の心理社会的側面が共に影響しています。駒木野病院には、アルコール依存症と児童精神科の診療を行ってきた実績があります。今回、アルコール総合医療センターとこまぎのこどもセンターの両クラスター部門が協力して、ゲーム障害の治療プログラムを立ち上げました。名付けてRPG(Rehabilitation Program for Gaming disorder)です。ロールプレイングゲームのように、仲間と協力し、新たなツールやスキルを身に着け、困難な冒険(学校や職場などへの社会復帰)に立ち向かうことをイメージしました。デイケアと作業療法の場を利用し、運動療法、認知行動療法、疾病教育などを行います。2020年6月の診療スタートを目指して、スタッフ一同、沢山のアイテムやイベントを準備中です。皆さまのアイデアも随時募集しております。

電子カルテのリプレイスについて

電子カルテ運用室室長 亀山 明

 令和2年3月22日、電子カルテシステムの新規バージョン入換え作業を行いました。当院では初めて電子カルテシステムを3日間停止しての作業となりましたが、病院、各部署、スタッフの皆様の協力により作業が完遂でき、スタッフの皆様には本当に感謝致しております。今回の作業を経て、電子カルテシステム停止の作業インパクトの大きさや当院の診療において電子カルテシステムが無くてはならない重要なツールであることを、皆様の状況などからも改めて確認する機会となりました。システム入換後、約1ヶ月経ちましたが、日々システムの動作、不具合に対処を続け、少しでも早期に安心して電子カルテを使用できるよう部署としても努力してまいります。今回のリプレイスでは病院側の多大なる協力を得て機材のスペックアップ(起動など非常に早いです)、システム側管理体制の拡充などを行いました。また病棟、外来へ登録制のInternet回線の設置も予定しております。これからも当院のシステムの稼働、運用、問題解決、拡充に電子カルテ運用室としてはもちろん、病院スタッフの皆様と協力しながら努力して参ります。よろしくお願いいたします。

駒木野病院活動報告

八王子夢駅伝大会に参加して

デイケア科 足立 美紀

八王子夢駅伝!激走中!

 今回初めて八王子夢駅伝大会へ応援参加させていただきました。出場したメンバーは普段職場で見慣れているメンバーでしたが、それとは違った真剣な眼差しや、タスキを繋ぐために懸命に走る姿を垣間見ることができ、応援という立場でありながらピリピリとした緊張と久しぶりのドキドキ感を体験させてもらいました。来年は出場メンバーが走ることに専念できるよう、準備を整えバックアップさせてもらおうと思っています。

新入職研修を終えて

看護師 内田 慎太郎

 全体で二日間、看護部で四日間の日程で行われた研修は非常に充実したものになりました。一番最初に実施された研修内容が「感染対策」であったことが示しているように、かなり厳しい時局での入職となりましたが、この事がかえって医療専門職になるということの自覚を促し、身の引き締まる思いで研修に臨むことが出来たような気がします。
 研修では、様々な部署から多岐にわたる内容の講義をしていただきました。そのいずれにも共通していたのは、患者さんのためのより良い医療、看護を追求する熱意です。職員の方々の情熱のこもったお話しを聞いて、同じ職場で働けることをとても嬉しく感じています。分からないことも多く、大変な事がこれから待っているのだろうと思いますが、同時に新しいことにたくさんチャレンジしたいという楽しみな気持ちもあります。質の高い看護を提供することができるよう、これから頑張っていきたいと思います。

編集後記

法人事務局 井出 光吉

東京では連日、新型コロナウイルス感染症の陽性者報告数が100名~200名の間で高止まりしています。現在の緊急事態宣言は5月6日までとなっていますが、いつ解除されるような状況になるのか心配です。医療関係者からの悲痛な声や院内感染に関する報道を目にするたびに、他人事ではないという気持ちになります。また、誰もが知っている著名人が亡くなったという報道を見ると、新型コロナウイルス感染症の怖さがより身近に感じられ、目に見えない敵に対する非力さを痛感します。

青溪会理念

[こころに寄り添い、生きる力を支援]

【皆様への五つの約束】

  1. 私たちは、地域社会の一員として、一人一人の心の健康を全力で支援します。
  2. 私たちは、専門医療・福祉機関として医療サービス内容のたゆみない向上に努めます。
  3. 私たちは、安全、快適、さわやかな接遇を心がけ、安らぎと回復の場を提供します。
  4. 私たちは、「その人らしい生活」を目指し、本来の力を引き出し、育むことに尽力します。
  5. 私たちは、全てのご利用者が満足し納得できるよう歩み続けます。